Word ：「削除を元に戻す」という操作なのに削除されてしまう

削除履歴に対し、「削除を元に戻す」という操作をすると、通常は削除なしの通常の文字列に戻るはずですが、削除されてしまうことがあります。

これは、校閲者Aさんが挿入した文字列を校閲者Bさんが削除した、というように同一文字列に二重に履歴がついている場合に起こります。一見Bさんの削除履歴しか見えないのに、実はAさんの挿入履歴に対して"元に戻す"が機能してしまう現象です。

回避法

吹き出し表示にすると、両方の履歴が付いていることが確認できます。

1. 吹き出し表示にする
   → 同一字列に、削除履歴と挿入履歴が付いていることが確認できる

2. 削除履歴の吹き出しに対し、「削除を元に戻す」として、挿入履歴のみにする

再現手順（Word2002 SP2環境）

1. 変更履歴の吹き出し表示はOFFにする

2. 新規文書を開き、「ツール」−「オプション」−「ユーザー情報」タブの名前ボックスに「USER1」と入力し「OK」で閉じる。

3. 「ツール」−「変更履歴の記録」をクリックし、履歴付きの状態で「ワード」と入力。

4. 「ツール」−「オプション」−「ユーザー情報」タブの名前ボックスを「校閲者B」に変更し「OK」で閉じる。

5. 2で入力した「ワード」に対し、履歴の付きの状態で削除する。（→「ワード」の状態になる。）

6. 4の「ワード」という削除履歴に対し、右クリックして「削除を元に戻す」とすると、通常は削除を戻す＝挿入された状態になるはずが消去されてしまう。